緊張と緩和

ギターとかジャズとか格闘技とか

今月聞いた新譜(2019年2月)

例によってリリースされて半年未満のものは新譜という括りで。


BAY OF RAINBOWS

BAY OF RAINBOWS

ヤコブ・ブロ・トリオです。
2017年7月ニューヨークでのライヴ盤。

夢の中で響いてるような音です。幻想的。
ライブ収録なのを忘れて聞いてて、曲終わりの拍手で「あ、そういえばライブ盤だったんだ」と思い出すくらい。
ビル・フリゼールっぽい音だなあ、と思ってたらヤコブ・ブロもテレキャスターを使う方だったんですね。硬質なガラスのような透きとおった音にエフェクトで広がりをもたせた感じが似てるように思います。

ヤコブ・ブロの音楽を聞くと「俺はいま何を聞いてるんだろう?ジャズ?エレクトロニカ?」とふと思うことがある。考えても解はないので深くは考えないけど。

読んだ本(2019年1月)

ここ3カ月で読んだ本です。
本の感想ではなく単に「この期間にこの本を読んだ」という備忘録。

週1冊は本を読むのですが、読んだ本全てを書くのは面倒くさいので(=「この本はイマイチだった」みたいなことは書いてて楽しくないので)、備忘録に残したい本のみをここに書きます。



だまし絵を描かないための-- 要件定義のセオリー

だまし絵を描かないための-- 要件定義のセオリー

システムを「外注」するときに読む本

システムを「外注」するときに読む本

仕事で必要な知識を得るために読んでみました。
わかりやすいです。
要件定義に悩んでたタイミングだったのでいろいろなヒントになりました。
すぐに使えるテクニックではないですが新しい知見を得ることが出来ました。
この2冊は仕事で手の届くところに置いておきたい。そして事ある毎に手に取ることになりそう。



はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで

はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで

はじめよう! プロセス設計 ~要件定義のその前に

はじめよう! プロセス設計 ~要件定義のその前に

業務フローをつくるところを詳しく知りたかったので「はじめよう!プロセス設計」を読んでみました。
ついでに「はじめよう!要件定義」も読み返してみました。「はじめよう!要件定義」はこの3年間繰り返し読み返してます。
良書です。
要件定義やプロジェクト管理の本を何冊も読んでますが、本質的には同じことが書かれてると思います。
同じことが書かれてますがちょっとずつ違う視点や違う角度で書かれてるので、2~3冊読んでみると知識が網羅的になっていく気がします。頭の中のパズルのピースが埋まっていくような感じです。



サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

「虚構が他人との協力を可能にした」
「農業革命は、史上最大の詐欺だった」
というのがインパクトがあった。おもしろい。
農耕革命で人類は以前より暮らしぶりが悪くなるが、人口の増加により以前の狩猟生活に戻れなくなった、というあたりは、現代に通じるものがあるなあと。経済成長を求めた結果、モノだけでなくいろんなものを商品化(代表的なもので債権化など)してしまい、後戻り出来なくなったような。



「長く生き、長く働く」という人生を送りたい、と考えます。そのための準備を今からしておきたい。
「ジョブ型」労働社会に対応する力を身につけてたいです。



「正しさ」に対するアンテナについて。
不確実で複雑で不安定な社会で、「主観的な内部の(正しい)モノサシ」をどのように身につけるか、どう鍛えるか。
など、いろいろと学びがあった。
「炎上しても稼げれば勝ち」「話題になれば勝ち」みたいな人は美的感覚を磨いて正しさに対するアンテナを持ってほしいものです。
これからの世の中は変化のスピードがさらに加速していくので、社会の様々な領域で法律の整備が追いつかなくなっていくと思います。正しさ・真実・倫理観に対する感覚を持つことはますます重要になると考えます。
正しい意思を持つために、良い芸術・良い音楽を鑑賞したい気持ちになります。



シェルプログラミング実用テクニック (Software Design plus)

シェルプログラミング実用テクニック (Software Design plus)

会社で使ってるプロジェクト管理ツールの処理数・未処理数・期限などの集計処理をシェルスクリプトで自動化してるのですが、Open usp tukubaiを使ってみました。tukubaiのマニュアルが本になってるということで買ってみました。この本読みながらいろいろ作っています。シェルスクリプト楽しい。



Pythonやってみたいなあ、と思いつきで(流し読みで)読んでみました。スクレイピングをやってみたかったのですが、他にもいろいろやりたいことが見つかりました。本読みながらコツコツやってみてます。

腰を痛めました

ウエイトトレーニングで腰を痛めました。
デッドリフトが原因。
デッドリフトとはこんなトレーニングです。

ja.wikipedia.org

wikipedia先生はこのように申してますね。

正しいフォームの習得が難しいため、トレーナーなどの監修を受けることが望ましい。

なるほどなるほど。
えーと、自己流でやりました。
インターネットで検索したハウツー動画をみて「こんな感じかなあ」と、完全に自己流で。
「短い時間で読めるテキスト」「短い動画再生時間」「分かりやすさ」を選んで、それをそのまま鵜呑みにしてしまった。。
情報はきちんとしたところから得ないとダメだなあと改めて思いました。

「1-2週間は運動しないで安静に」との診断が出たので、ずっと続けてきたジム通いも一旦お休みです。
治ったら、ウエイトトレーニングの正しいフォームをきちんと覚えようと思います。

今月聞いた新譜(2019年1月)

例によってリリースされて半年未満のものは新譜という括りで。


Live

Live

マルチン・ボシレフスキ・トリオです。
2016年8月ベルギーのジャズ祭でのライヴ盤。
静謐な旋律。そこから絶妙な余韻や奥行きが広がっていく。ECMらしいライブ盤です。

マルチン・ボシレフスキをはじめて聞いたのはたぶんトーマス・スタンコ・トリオとの共演盤、『Lontano』(2006年)だったと思います。いまでもたまに聞きます。大好きなレコード。
それからだいぶ経ってマルチン・ボシレフスキ・トリオ名義のアルバムで『trio』(2010年)を聞いたのですが、そのときは「キース・ジャレットみたいだなあ」という印象でした(当時は転職したばかりで余裕がなくこのアルバムを聞き込んでなかった)。

で、久しぶりにこのアルバムでマルチン・ボシレフスキの演奏を聞いたのですが、良いですね。すごく好き。
印象が以前とだいぶ変わりました(というか、以前はきちんと聞き込んでなかったのが原因)。
叙情的で静謐。と思ってたら、突如激しい側面を見せる場面も有り。ガツンとくる刺激物が薬味的に来るのではなく、じわじわと地面が揺れるようなグルーブを感じる激しさ(マッコイ・タイナーみたいな激しさ?いや、ちょっと違うかも)。
ECMから出てほかのアルバムも聞いてみようと思います。

ぜひライブで聞いてみたいのですが、1月に来日したのですね。1週間前に知ったので予定を空けられずライブに行けなかった。残念。
情報に疎いのは良くないですね。

柳家喬太郎『ハンバーグができるまで』に思うこと

柳家喬太郎新作落語「ハンバーグができるまで」を鈴本演芸場で聞きました。

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この噺、数回聞いてるのですが、いつも「不思議な噺だなあ」という印象を受けます。
商店街を舞台にした人情噺のようであり、
滑稽噺のようであり、
男女(別れた夫婦)のすれ違いと別れを描いた悲劇でもあり、
たぶんいろんな感想を持つ人がいるのではないでしょうか。

冒頭は商店街のドタバタで物語が進行する。そのまま滑稽噺になると思いきや場面が転換して別れた夫婦の場面に。密室劇のような密度と緊張感に舞台の空気が一変し、別れた夫婦の微妙なやりとりに焦点となる。やりとり。とは言ってもふたりの間に心が通じあうことはついに、無い。

男は男で単純な期待(もう一度やりなせるのでは、という勝手な期待)を抱き、女は女で自分ひとりの納得(再婚の報告と別れ)のために(元夫への配慮無く)物事を進めていく。別れた夫婦の前には微妙な齟齬がゴロリと転がる。男の大嫌いなニンジンもハンバーグの付け合わせとしてゴロリと皿に盛られる。

そして女は別れを(勝手に)告げて男のもとを去る。男と皿に盛られた大嫌いなニンジンが残される。女が残していった微妙な齟齬と共に。
男は意を決してニンジンを食べる。
「なあんだ、ニンジンって結構...うまいじゃん」

最後の言葉は、齟齬を齟齬として飲み込んだということだろうか。大嫌いなニンジンを飲み込んだように。
現実を現実としてうけとめたということか。男の成長ということか。
このあたりは人によって受け取り方が様々と思います。

「商店街の人たちのおせっかいがキッカケで元夫婦は互いのわだかまりを解消してヨリをもどしましたとさ。めでたしめでたし」
とならないところが現代的と思う。
互いの心の齟齬なんて現代の人間関係ではそんなに簡単に解消できない。

「人情噺」的な噺でありながら、この噺では人情では何も救われてないところもおもしろい。
人情=情愛(商店街の人々の勝手な心配とおせっかい。夫婦のひとりよがりの期待と行動)をキッカケとして物語をドライブさせてるのに、最後までこれらは噛み合うこと無くすれ違う。
そもそも元夫婦の間に情愛は無い。ふたりとも個人主義であり自分勝手でワガママである。
そして男は幼稚である。「いい大人でありながらニンジンが嫌い」「商店街の人々からこどものように心配されている」「離婚してから在宅仕事になり、結果的に社会性が低下してる」「地域社会(商店街の人々)と(自分から)つながりを持とうとしない」という「幼稚」であり「社会性に欠けた」人間(=ある意味現代的な人物設定)、である。

まあ、僕も同じように社会性が低くて幼稚なものですが。。
そのくせ古典落語の世界のような「地域社会との深いつながり」と「大人が大人として機能する社会」に憧れたりもしますが。

人情噺のフォーマットを現代にあてはめるとこうなるのかなあという感想を持ちました。

とはいえ、噺としては何度も大笑いする場面がたくさんあり、ほんとにおもしろい。すごくおもしろい!
そして、おもしろいだけでなく、じんわりと不思議な印象が残る噺と思います。