緊張と緩和

ギターとかジャズとか格闘技とか

Dドリアンスケールを弾いて思ったこと

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Dm7でDドリアンスケール弾く時に、Cメジャースケールのことを考えながらDドリアンスケールを弾くのではなくDドリアンスケールを意識して弾いたほうが良いよというお話です。

Dm7でDドリアンスケールが使えますよ、ってことは分かってるんですが、結局はCメジャースケールと同じ。なので今までCメジャースケールを弾いてました。
しかし、それではDドリアンスケールの特徴が活かせてないことになります。

チャーチモードにはそれぞれスケールごとに特徴があります。

ドリアンスケールはナチュラルマイナーの6度が長6になってることが大きな特徴です。つまり13がナチュラルになってる。

ナチュラルマイナースケール R 9 m3 11 P5 m13 m7
ドリアンスケール R 9 m3 11 P5 13 m7

なので13を意識して弾くと特徴が出しやすい。マイナーでありながらちょっと洒落た雰囲気が出せます。ドリアン的なちょっと都会的な感じ(個人の感想です)。

また、
Dm7のコードでマイナーを意識しないでCメジャースケールで弾くとマイナーコードなのにメジャー的に弾いてしまうことになります。
m3を意識して弾くとコードの個性を出せるので、フレーズの中でコード感を出せます。

つまり弾いてるコードの構成音を意識して弾くと良いですよ~というお話でした。

みきちゅ8周年記念ライブ『みきちゅタンジェント』@新宿MARZ

6月17日(土)に行ってきました。

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2部(昼公演・夜公演)とおしで行きました。
よかったです。とてもよかった。

王道ポップなアイドル楽曲をやったり、重めな曲調なシンガーソングライターをやったり、アイドルグループ活動があったり、フレンチ・エレクトロをやったり、ヒップホップユニットでピアノ弾いたり、ここ1年ちょっとの間いろいろな活動があり、中には「おや?」と思うものも正直あったのですが、今回のライブでは、今までやってきたことが高いクオリティでひとつにまとまった、という印象を受けました。
あれもこれもとやってきたことを上から塗りつぶしたのでなく、全て均等に溶け合って、混ざり合って、ひとつのものになったというか。

アイドルとかシンガーソングライターとかテクノポップとか、それぞれの川を流れるままに辿って行ったら、大きな海にたどり着いて、広いところに出てドーンと視界がひらけたような。
そんな印象を受けました。

音楽っていいな、と晴れやかな気持ちになるライブでした。

オルタードスケールのこと

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「ジャズっぽいフレーズ弾くにはオルタードスケールを覚えなさい」
ってほんとによく言われます。
#や♭がたくさんついた不安定なスケールなので、オルタードスケールを使うと良い感じで不安定なフレーズになります。
覚えておくと便利なオルタードスケール。
どうすればオルタードスケールをおぼえられるのか。

以前に、

ロディックマイナースケールの半音下はオルタードスケールと同じものになります。
(例:D♭メロディックマイナー=Cオルタードスケール、Fメロディックマイナー=Eオルタードスケール)
ただし「メロディックマイナーの半音下」という覚え方は意味がなくて、

R・♭9・#9・3・#11・♭13・m7

と覚えないと音の役割を理解しないことになります。

と書きました。
ロディックマイナースケールを理解してる人であれば「半音下」と言われてもパッと反応できるでしょう。しかしメロディックマイナー・スケールは難しいので「半音下」と言われてもパッと反応できずフレーズが出てきません(僕のレベルだとほんとうに出てきません)。
ちょっとムリです。絶対ロストします。


では、他におぼえ方のヒントはないものか?

Cオルタードスケールは、

C・C#(D♭)・D#(E♭)・E・F#(G♭)・G#(A♭)・A#(B♭)

となってます。これをインターバルでみると、

「半・全・半・全・全・全・全 」

となります。

「全・全・半・全・全・全・半 」(メジャースケールのインターバル)

と似てますね。
ていうかルートを半音上げれば、オルタードスケールと同じになる。
つまり、
オルタードスケールとは、『メジャースケールのルート以外の音が全部半音下がっている』という捉え方ができるわけです。

Bメジャースケール:B・C#(D♭)・D#(E♭)・E・F#(G♭)・G#(A♭)・A#(B♭)
Cオルタードスケール:C・C#(D♭)・D#(E♭)・E・F#(G♭)・G#(A♭)・A#(B♭)

Bメジャースケールを弾いて、B音を半音上げてCで弾くとCオルタードスケールになるわけです。
わかりやすい。

ただし、これも音楽的な理解という面ではイマイチです。
「Cオルタードを弾くところはBメジャースケールのツーとだけ半音上げ」という意識で弾くとルートからのインターバルを見失います。
うまく音に反応できそうにないです。これはこれでキツイ。

ただし、運指をこの方法でおぼえるという手は有効だと思います。
慣れ親しんだメジャースケールのルートを半音上げるだけなので運指練習はやりやすい。


じゃあどうする?って話しですが、
オルタードの音を1ポジションで押さえられるところを自分で作って、コードフォーム的にアルペジオのように鳴らす練習が一番効果的と思います。
あとは、オルタードスケールをいっぱい弾くとかですかね。
チャーリー・パーカーがⅤ7で弾くフレーズをコピーするとか。
でも、まずはコードフォームのようにスケール内の音をクローズドで一度に押さえられるポジションを自分で作って、Ⅴ7のときはそのポジションをアルペジオのように弾く。
今僕はその方法で練習しています。
この方法だと、
| G7 | Cm7 |
のような進行の場合にGオルタードスケール弾いて、Cm7のコードトーンにつなげることもやりやすい。ルートからの度数が見えやすいのでどんなふうに着地するかをイメージしやすい。


ビバップのフレーズはコードシェイプの中にすでにある」
ジョー・パスは言ったそうです。
たしかに。コードトーンが弾ければなんとかなるもんね。
しばらくこの方法でオルタードの練習してみます。

四度圏で遊ぶ

iOSに「四度圏表」というアプリがあったので1年前くらいからiPhoneに入れてます。

四度圏表

四度圏表

  • mn
  • ミュージック
  • 無料

描画モードがついてるので、音を音を線で結んで四度圏をくるくる回して遊んだりしてます。通勤電車の中とかでやるには丁度良い。

どんなふうに遊んでるかというと、こんな感じ。

メジャー/マイナー

Cメジャースケール

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Cナチュラルマイナースケール

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Cハーモニックマイナースケール

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Cメロディックマイナースケール

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という感じ。これをくるくる回してルート位置を替えたりして遊んでます。




チャーチモード

チャーチモードでもやってみました。わかりやすいようにCからのスケールにしてます。

イオニアンスケール

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ドリアンスケール

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フリジアンスケール

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リディアンスケール

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ミクソリディアンスケール

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エオリアンスケール

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ロクリアンスケール

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インターバルが同じなので、同じ図形がくるくる開始位置(つまりルート)を移動させたものになります。



そのほか

オルタードスケール

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おやおや、どこかで見たような。
ロディックマイナースケールと同じですね。
ロディックマイナースケールの半音下はオルタードスケールと同じものになります。
(例:D♭メロディックマイナー=Cオルタードスケール、Fメロディックマイナー=Eオルタードスケール)
ただし「メロディックマイナーの半音下」という覚え方は意味がなくて、

R・♭9・#9・3・#11・♭13・m7

と覚えないと音の役割を理解しないことになります。
オルタードスケールはオルタードテンションを使ったスケールであり、メジャースケール以外の音をテンションに使ったコードということなので。


ホールトーンスケール

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全ての音が全音間隔なのでこうなりますね。
ちょっとユーモラスな音階です。セロニアス・モンクが使うかな。
V7コードでよく使いますかね。


ディミニッシュスケール

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良いビジュアルですね。うつくしい図形です。
全音・半音・全音・半音・・・と全音と半音を繰り返したスケールです。
4つのトライトーンを含むので、不安定で怪しげな印象があります。
このスケールの第2音から開始したもの(つまり半音・全音・半音・全音・・・と半音と全音を繰り返したもの)がコンビネーション・オブ・ディミニッシュスケール(=コンディミ)です。いっしょに覚えておきたいやつ。
ディミニッシュスケールはdim、
コンディミはV7、III7、VI7とかで使われることが多いように思います(たぶん)





こんなのをアプリ上でくるくる回して遊んでます。たのしい。スケールの勉強にもなる。



スケールは音と音とのインターバルで覚えたほうが絶対に良いです。
手の形で覚えがちですがその方法では身につきません。
ルートから何度離れてるからこんな印象の音階になるのかー、と思えばこっちのもの。そうなるとスケールを使いこなせるようになると思います。
(僕も出来てないので勉強中です)。

スケールのインターバルを視覚的に見ると理解が深まるなあ、というお話でした。

「VOICE OF BLUE 舞台上で繰り広げられた真実のジャズ史をたどる旅」を読んだ

おもしろかったです。

VOICE OF BLUE 舞台上で繰り広げられた真実のジャズ史をたどる旅

VOICE OF BLUE 舞台上で繰り広げられた真実のジャズ史をたどる旅


「ミュージシャンの視点からジャズの歴史を語る書籍」とのことです。
なので、ジャズを年表的に時代を追ってみていく、というのではないです。あくまでもミュージシャン視点で歴史を語っています。音楽的な変化だったり、演奏の現場であったり、レコードやCDの売上だったり、著者の経験から語られてます。経験ベースなのでリアルです。こういうジャズの本って今までなかったのでとてもおもしろい。

個人的には「第3章 モードの真実」が特におもしろかったです。
ビバップからモードへの変遷って、書籍によっていろんなことが書かれててどれも興味を惹かれます。どれが正しいとかどれが間違ってるとか、そういうことでは無いんだなあと思ってます。多様な条件や理由がビバップからモードの動きを作ったのではないかなと個人的に思ってます。(そもそも歴史として語られる時点で、語る人のバイアスが加わるものなので精緻な歴史なんて存在しない、と思う)

音楽的な説明もすこしありますがダイアトニックが分かってたら問題なく読めるかと思います。
ジャズがすきな人ならたのしく読める本と思います。