緊張と緩和

ギターとかジャズとか格闘技とか

岡安芳明・中牟礼貞則@浅草 ソウルトレイン

12月19日(水)に行ってきました。

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はじめてのお店だったのですが、浅草駅から徒歩5分くらいで迷わず到着。
階段を登り自動ドアが開くと目の前に大きなダイニングテーブル(10人掛けくらい)があります。あと4人がけのカウンター。昭和の喫茶店のようです。
ジャズバーには珍しく2階にお店があり、大きな窓があるので、浅草を走る電車が見えます。
マスターが明るく気さくな方で好印象。

駅からダッシュしてきたのでまずは喉を潤して。

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20時10分くらいにライブスタート。
まずは岡安さんのソロギターから。
(曲名をメモしてたのですがメモを紛失したため記録ナシです。全曲スタンダードでした。)
脇に座る中牟礼さんが岡安さんのソロギターを目をつむってじっと聞き入ってる姿が印象的です。
美しいギターです。ピアノのような繊細な旋律。

そして、中牟礼さん登場。ここからデュオです。
中牟礼さんのギターはピッキングが力強く生音でも聞こえるくらい。岡安さんはソフトでまろやかな音。
お二人のギターが全然違ってて、同じ楽器とは思えないくらい。

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2ndセットでは、ボーカルの吹上綾さん(岡安さんのお弟子さんとのこと)が登場。
2曲を披露。

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ソフトな歌声。あまりに楽しそうに歌ってらっしゃるので、音楽を奏でる喜びが伝わってくるようです。

アンコールはマスタ~のリクエストで「枯葉」。

たのしいライブでした。
「All The Things you are」と「いそしぎ」が印象に残りました。

映画『ブルーに生まれついて BORN TO BE BLUE』を見ました

風邪で数日床に臥せっていました。
時間があるのでこれチャンスと以前から気になってた映画を見ました。
見た映画はチェット・ベイカーの自伝映画『ブルーに生まれついて BORN TO BE BLUE』(2015年制作)です。

チェット・ベイカーの映画といえば、『LET'S GET LOST』(1988年制作)というドキュメンタリー作品があるのですが、今回見たのは、事実をもとにしたフィクションらしいです。たぶん。

物語的には、1960年代中半から1973年までを描いています。チェット・ベイカーがイタリアで逮捕されてから1973年にディジー・ガレスピーの尽力で復活するまでの物語。喧嘩で前歯を折られるというエピソードも含まれます。

チェット・ベイカーをダメ男として描かれてる的な映画のあらすじを聞いてたので、「ダメ男を叙情的に描いた映画だったら嫌だなあ」と思ってたのですが、そんなことは無く、クールで飄々として生命力あるチェット・ベイカーが描かれてます。だからこそ映画の結末はとてもつらいです。重すぎる選択に何も言えなくなってしまいます。音楽への業の深さというか、なんでしょうね。やるせない気持ちになります。

この映画のその後のチェット・ベイカーについては、『LET'S GET LOST』でドキュメンタリー映画になっています。最晩年の1987年~1988年に撮影された映像です。五十過ぎとも思えないシワだらけの顔に驚かされます。そこにはヘロインに溺れた日々が刻まれてるように見えます。でも、そんな外見でも歌い出すとあの頃の甘くロマンティックな歌声です。若さはもうないがその代わりに枯淡の味わいが増し、それでもまだまだ甘さがある。なんていうか、音楽への逃れられない業の深さに残酷さを感じます。

というわけで、『ブルーに生まれついて BORN TO BE BLUE』を見たら『LET'S GET LOST』もあわせて見たいのですが、日本版のDVDは発売してないんですね。。日本版発売しないですかね...。

そういえば、今年はチェット・ベイカーが亡くなって30年目です。
偶然ですが、良い節目で見れたのもよかったです。

ジャズに興味ない人でも楽しめる映画と思います。




11/26(土)公開『ブルーに生まれついて』予告編



Let's Get Lost - Trailer

カート・ローゼンウィンケル・トリオ@丸の内コットンクラブ

9月5日(水)の2ndセットに行ってきました。

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メンバー-は、
Kurt Rosenwinkel (g)
須川崇志 (b)
Mark Whitfield Jr.(ds)

※ ダリオ・デイッダ (b) が体調不良により来日が叶わなくなったため、 代わりに 須川崇志 (b) が出演することとなったそうです。

受付でピックをいただきました。

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渋谷ウォーキンさんからの来場者へのプレゼントです。
ウォーキンさんはコットンクラブのロビーにWestvilleのカート・ローゼンウィンケルのシグネイチャーモデルを展示してました。VanguardとButterです、カッコいい、弾いてみたい!(写真は撮り忘れました)。

コットンクラブではいつもステージ向かって右のカウンター席に座ることにしてる。ステージから距離はあるけど、一段高くなってるのですこしだけ見やすい。今回のいつものカウンター席に着席。
ほどなく開場が暗くなりライブスタート。

ギターはWestvilleのVanguardです。
例のアタック音の少ないカートの音色です。
足元はよく見えなかったのですが、想像してたよりペダルは多くないように見えました。ペダル操作してる仕草も少なかったような気がします。

ライブ全体を通した感想は、
「セッション的な『バチバチにプレイヤー同士がぶつかり合う演奏』とは対局な演奏だなあ」と感じました。
なんというかピリッとした緊張感は感じなく、ふわっと穏やかな印象です。
といってもバリバリにスピード感あるスリリングな曲も何曲かあったのですが、不思議に穏やかに聞いてられる。音色のせいですかね?なんだろ?

あと、カートが意外と良いガタイしててデカかった。Vanguardが小さく見えました。

あっという間の80分でした。
エフェクターボードの写真撮りたかったが忘れてしまった。

久しぶりのライブでしたが楽しかった。
落ち着いてゆっくり音楽に浸れるのは良いです。

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井上智トリオ@江古田 そるとぴーなつ

2月10日(土)に行ってきました。

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「Have You Met Miss Jones? 」からスタート。
セットリストをメモした紙をなくしてしまったのですがこの日もスタンダード中心でした。
前半の「Scrapple from the Apple」、「My Funny Valentine」がよかったです。
とくに「My Funny Valentine」は激しい演奏でよかった。
ジム・ホールの「Waltz New」はいつも楽しみにしてるのですが、聞くたびにしみじみ良いなあと思います。うっとりしてしまう。

この日は1番前の席に座りました。
目の前に井上智さんのギターが置いてありました。ここぞとばかりに細部まで観察しました。興奮しました。

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アンティーク家具のようなうつくしさ。



1番まえでライブ見ると手の動きが気になってしまうので次回は後ろでみたいと思います。

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ロバート・グラスパー・トリオ@Blue Note Tokyo

1月3日(水)の2ndセットに行ってきました。

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メンバーは去年と同じです。
tomohironozima.hatenablog.com

ロバート・グラスパー(ピアノ)
ヴィセンテ・アーチャー(ベース)
ダミオン・リード(ドラムス)
ジャヒ・サンダンス(ターンテーブル

静かな演奏でライブがはじまり、マーティン・ルーサー・キング牧師の「I have a Dream !」の演説のサンプリングでじわじわと緊張感が高まります。
いつの間にか激しい曲に入っていき熱い演奏に。
最後はまたゆったりと熱い余韻を残しながら終演。

すばらしかったです。
ジャズとR&Bとヒップホップを横断するような時間でした。
ブラックミュージックのいろんな要素が目の前で溶け合っていくような。
すごいもの見た。

ダミオン・リードのドラムが最高によかったです。
マシンのような正確さで激しい曲からボリュームを落とした静かな曲までの懐の広さ。キッチリしたグルーヴを出しながらときおりピアノが2台あるかように思えてくるような歌うようなドラムを聞かせてくれたりとほんとにすばらしい。

全体的には激しめの内容だったと思います。
途中で意識が飛んで無心で音楽に聞き入ってました。
本当によかったです。


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2018年になりましたね。