緊張と緩和

ギターとかジャズとか格闘技とか

今月聞いた新譜(2017年5月)

例によってリリースされて半年未満のものは新譜という括りで。



ビル・エヴァンスの発掘盤です。1976年11月15日の録音。
ビル・エヴァンス(p) エディ・ゴメス(b) エリオット・ジグムンド(ds)
去年(2016年)に出た同じく発掘盤の「Some Other Time」よりこっちのほうが好みです。
演奏も録音も良いです。
ビル・エヴァンスのピアノは「円熟」といった印象。トゲトゲしてないまろやかな音。ただし、時折サクッと刺すような見事な切れ味のスリリングさがあります。
エディ・ゴメスのベースは落ち着きがなくてあまり好みでは無いのですが、このアルバムでは気にならない(いつもどおり落ち着きないベースですが)。
晩年のヨレヨレさがあるかなあと思ってたのですがすごく良い演奏。
最近いろんなミュージシャンのダメな時期の演奏を聞くとグッときます。チャーリー・パーカーのラバーマンセッションとか、バド・パウエルのひどい録音とか、ボブ・ディランの明らかに自信のない時期とか。ダメな時期の演奏昔は大嫌いだったんですが、今はすごくグッときます。歳のせいですかね。
このアルバムはそんなことはないのですが、全盛期よりは明らかに鮮やかさに欠けるプレイをしてて。それを円熟とよぶのか、枯れたとよぶのか、精彩に欠けたとよぶのか、っていうのはかなり微妙な違いかもしれないなあと思いました。




ターン・アップ・ザ・クワイエット(通常盤)

ターン・アップ・ザ・クワイエット(通常盤)

ダイアナ・クラールです。
スタンダード集なのですが、選曲が1930年から1950年と古い曲が多いです。
演奏はシンプル。昔の演奏スタイルを踏襲してるんでしょうかね。無駄な音がなくて歌が引き立ちます。
何を歌ってもダイアナ・クラールが唄う歌はダイアナ・クラールのモノなってしまうあたり、やっぱりさすがだなあという印象。
「スタンダードを聞いたー」って感じがあんまりしない。すごいことなんだけどさらりとやってしまうのであんまりスゴさがないのもすごい。





SEIKO JAZZ(通常盤)

SEIKO JAZZ(通常盤)

聖子さんです。
あの松田聖子さんがスタンダードジャズを歌う企画盤です。
スタンダードといってもバーブラ・ストライサンドの「追憶」とかカーペンパーズの「Close to You」とかノラ・ジョーンズの「Don't Know Why」が入ってたりで、まあジャズにかかわらずスタンダードということでしょうか。
歌の細かなニュアンスとかジャズ的な言語での歌いまわしとか、そういうことはこのアルバムでは無しで良いのではと。
美空ひばりさんがジャズを歌うアルバムが好きでよく聞いてたのですが同じように聞いてます。





今月はこんな感じ。
旧譜を聞くことが多かったかなと思います。
ジム・ホールばかり聞いてました。
一昔前は廃盤になってたものが再発になっててうれしい限りです。