緊張と緩和

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オルタードスケールのこと

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「ジャズっぽいフレーズ弾くにはオルタードスケールを覚えなさい」
ってほんとによく言われます。
#や♭がたくさんついた不安定なスケールなので、オルタードスケールを使うと良い感じで不安定なフレーズになります。
覚えておくと便利なオルタードスケール。
どうすればオルタードスケールをおぼえられるのか。

以前に、

ロディックマイナースケールの半音下はオルタードスケールと同じものになります。
(例:D♭メロディックマイナー=Cオルタードスケール、Fメロディックマイナー=Eオルタードスケール)
ただし「メロディックマイナーの半音下」という覚え方は意味がなくて、

R・♭9・#9・3・#11・♭13・m7

と覚えないと音の役割を理解しないことになります。

と書きました。
ロディックマイナースケールを理解してる人であれば「半音下」と言われてもパッと反応できるでしょう。しかしメロディックマイナー・スケールは難しいので「半音下」と言われてもパッと反応できずフレーズが出てきません(僕のレベルだとほんとうに出てきません)。
ちょっとムリです。絶対ロストします。


では、他におぼえ方のヒントはないものか?

Cオルタードスケールは、

C・C#(D♭)・D#(E♭)・E・F#(G♭)・G#(A♭)・A#(B♭)

となってます。これをインターバルでみると、

「半・全・半・全・全・全・全 」

となります。

「全・全・半・全・全・全・半 」(メジャースケールのインターバル)

と似てますね。
ていうかルートを半音上げれば、オルタードスケールと同じになる。
つまり、
オルタードスケールとは、『メジャースケールのルート以外の音が全部半音下がっている』という捉え方ができるわけです。

Bメジャースケール:B・C#(D♭)・D#(E♭)・E・F#(G♭)・G#(A♭)・A#(B♭)
Cオルタードスケール:C・C#(D♭)・D#(E♭)・E・F#(G♭)・G#(A♭)・A#(B♭)

Bメジャースケールを弾いて、B音を半音上げてCで弾くとCオルタードスケールになるわけです。
わかりやすい。

ただし、これも音楽的な理解という面ではイマイチです。
「Cオルタードを弾くところはBメジャースケールのツーとだけ半音上げ」という意識で弾くとルートからのインターバルを見失います。
うまく音に反応できそうにないです。これはこれでキツイ。

ただし、運指をこの方法でおぼえるという手は有効だと思います。
慣れ親しんだメジャースケールのルートを半音上げるだけなので運指練習はやりやすい。


じゃあどうする?って話しですが、
オルタードの音を1ポジションで押さえられるところを自分で作って、コードフォーム的にアルペジオのように鳴らす練習が一番効果的と思います。
あとは、オルタードスケールをいっぱい弾くとかですかね。
チャーリー・パーカーがⅤ7で弾くフレーズをコピーするとか。
でも、まずはコードフォームのようにスケール内の音をクローズドで一度に押さえられるポジションを自分で作って、Ⅴ7のときはそのポジションをアルペジオのように弾く。
今僕はその方法で練習しています。
この方法だと、
| G7 | Cm7 |
のような進行の場合にGオルタードスケール弾いて、Cm7のコードトーンにつなげることもやりやすい。ルートからの度数が見えやすいのでどんなふうに着地するかをイメージしやすい。


ビバップのフレーズはコードシェイプの中にすでにある」
ジョー・パスは言ったそうです。
たしかに。コードトーンが弾ければなんとかなるもんね。
しばらくこの方法でオルタードの練習してみます。