緊張と緩和

ギターとかジャズとか格闘技とか

ロバート・グラスパー・トリオ@Blue Note Tokyo

12月18日(日)の2ndセットに行ってきました。

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今年一番の期待感で行ったのですが、期待を遥かに上回るライブでした。
素晴らしかったです。

メンバーは、
ロバート・グラスパー(ピアノ)
ヴィセンテ・アーチャー(ベース)
ダミオン・リード(ドラムス)
ジャヒ・サンダンス(ターンテーブル

トリオとしては『Canvas』、『In My Element』、『Covered』のメンバーです。
ジャヒ・サンダンスのことはよく知らなかったのですが今年出たロバート・グラスパーのアルバム『ArtScience』に参加してるとのこと。

ジャヒ・サンダンスのDJプレイでスティービー・ワンダーの古い曲がプレイのところでトリオのメンバーがステージに登場。
ロバート・グラスパーかなり太ってました。お腹を揺らしながらピアノと向かい合います。何故か爪楊枝を口に咥えてます。

軽くメンバーを紹介してはじめたのがプリンスの『SIGN OF THE TIMES』です。もうねスゴイですね。
複雑なビートをマシンのような正確さで叩くダミオン・リードのドラム、
機械的なビートの中にふっくらした色彩と鋭い切れ込みで入るベース、
ふわりとしたタッチで入ってくるロバート・グラスパーのピアノ、
もうコレだけで「ああああもううわあああここに来れてしあわせ」となりました(このときまだライブ開始5分)。

丁寧に積み上げられた音たちがいつのまにか壮大な建造物になってることに気づいて「おおーすごい!」と思ったら幻のようにふわっと目の前から無くなり『SIGN OF THE TIMES』のテーマに戻るあの瞬間のゾクッとする感覚、素晴らしかったです。

ターンテーブルが思った以上に良かったです。
「このトリオにターンテーブル要らないだろ」とちょっと思ってたのですが、最高のタイミングで音の色彩をひろげてくれました。

ロバート・グラスパーは「現代ジャズの最先端」とか「新しいジャズの騎手」とか言われますが、すごく斬新で奇抜なことをやってるわけではなく、誰も聞いたことが無い尖ったモノを演奏をしてるわけでもなく、すごく自然なんだなあというのがナマでライブで見て思った印象。
「過去のモノ」「現代のモノ」あるいは、「ジャズのモノ」「ヒップホップのモノ」「ソウルミュージックのモノ」が地層のようなグラデーションではなく、すべてがきれいに溶けあって分子レベルで合体してひとつの物体になり、それが音の一粒一粒の結晶に姿をかえて奏でられてるような美しさ。
音の一粒まで全部を堪能して満足です。ため息出ました。


あと、
ブルーノートの料理は本当に美味しい、ポテトフライとリエットしか頼んでないけど本当にすごく美味しい。でも、演奏がはじまると食事どころじゃなくなるので今回も残してしまって残念だった。今度は早めにオーダーしたいです。

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1.SIGN OF THE TIMES
2.RISE AND SHINE
3.ONE FOR 'GREW
4.ENOCH'S MEDITATION
5.IN CASE YOU FORGOT
6.ELECTRIC RELAXATION