四度圏で遊ぶ
iOSに「四度圏表」というアプリがあったので1年前くらいからiPhoneに入れてます。
描画モードがついてるので、音を音を線で結んで四度圏をくるくる回して遊んだりしてます。通勤電車の中とかでやるには丁度良い。
どんなふうに遊んでるかというと、こんな感じ。
メジャー/マイナー
Cメジャースケール
Cナチュラルマイナースケール
Cハーモニックマイナースケール
Cメロディックマイナースケール
という感じ。これをくるくる回してルート位置を替えたりして遊んでます。
チャーチモード
チャーチモードでもやってみました。わかりやすいようにCからのスケールにしてます。
アイオニアンスケール
ドリアンスケール
フリジアンスケール
リディアンスケール
ミクソリディアンスケール
ロクリアンスケール
インターバルが同じなので、同じ図形がくるくる開始位置(つまりルート)を移動させたものになります。
そのほか
オルタードスケール
おやおや、どこかで見たような。
メロディックマイナースケールと同じですね。
メロディックマイナースケールの半音下はオルタードスケールと同じものになります。
(例:D♭メロディックマイナー=Cオルタードスケール、Fメロディックマイナー=Eオルタードスケール)
ただし「メロディックマイナーの半音下」という覚え方は意味がなくて、
R・♭9・#9・3・#11・♭13・m7
と覚えないと音の役割を理解しないことになります。
オルタードスケールはオルタードテンションを使ったスケールであり、メジャースケール以外の音をテンションに使ったコードということなので。
ホールトーンスケール
全ての音が全音間隔なのでこうなりますね。
ちょっとユーモラスな音階です。セロニアス・モンクが使うかな。
V7コードでよく使いますかね。
ディミニッシュスケール
良いビジュアルですね。うつくしい図形です。
全音・半音・全音・半音・・・と全音と半音を繰り返したスケールです。
4つのトライトーンを含むので、不安定で怪しげな印象があります。
このスケールの第2音から開始したもの(つまり半音・全音・半音・全音・・・と半音と全音を繰り返したもの)がコンビネーション・オブ・ディミニッシュスケール(=コンディミ)です。いっしょに覚えておきたいやつ。
ディミニッシュスケールはdim、
コンディミはV7、III7、VI7とかで使われることが多いように思います(たぶん)
こんなのをアプリ上でくるくる回して遊んでます。たのしい。スケールの勉強にもなる。
スケールは音と音とのインターバルで覚えたほうが絶対に良いです。
手の形で覚えがちですがその方法では身につきません。
ルートから何度離れてるからこんな印象の音階になるのかー、と思えばこっちのもの。そうなるとスケールを使いこなせるようになると思います。
(僕も出来てないので勉強中です)。
スケールのインターバルを視覚的に見ると理解が深まるなあ、というお話でした。
「VOICE OF BLUE 舞台上で繰り広げられた真実のジャズ史をたどる旅」を読んだ
おもしろかったです。
VOICE OF BLUE 舞台上で繰り広げられた真実のジャズ史をたどる旅
- 作者: 高内春彦
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2017/04/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「ミュージシャンの視点からジャズの歴史を語る書籍」とのことです。
なので、ジャズを年表的に時代を追ってみていく、というのではないです。あくまでもミュージシャン視点で歴史を語っています。音楽的な変化だったり、演奏の現場であったり、レコードやCDの売上だったり、著者の経験から語られてます。経験ベースなのでリアルです。こういうジャズの本って今までなかったのでとてもおもしろい。
個人的には「第3章 モードの真実」が特におもしろかったです。
ビバップからモードへの変遷って、書籍によっていろんなことが書かれててどれも興味を惹かれます。どれが正しいとかどれが間違ってるとか、そういうことでは無いんだなあと思ってます。多様な条件や理由がビバップからモードの動きを作ったのではないかなと個人的に思ってます。(そもそも歴史として語られる時点で、語る人のバイアスが加わるものなので精緻な歴史なんて存在しない、と思う)
音楽的な説明もすこしありますがダイアトニックが分かってたら問題なく読めるかと思います。
ジャズがすきな人ならたのしく読める本と思います。
ジェラルド・クレイトン・カルテット@丸の内コットンクラブ
6月6日(火)の2ndセットに行ってきました。
仕事的にムリだったので諦めてたのですが、諦めきれず当日の19時20分に電話予約して、丸の内コットンクラブへダッシュして19時40分に到着。会社が近くで助かった。
メンバーは、
ジェラルド・クレイトン (pf)
ローガン・リチャードソン (as)
ジョー・サンダース (b)
ケンドリック・スコット (ds)
すごいメンバーです。ドリームチームです。このメンバーが一度に見れることは貴重。
- ジェラルド・クレイトンのピアノはCDで聞くよりも淡い演奏。正直言うと「控えめだなあ」と思った。前にガンガン出て来てグイグイ演奏をリードするピアノとは正反対。しかし前に出てこないのに演奏をガッチリ支配してたことにあとで気づく。
- 絵を描くようなピアノ。丁寧に色彩を描いていくような感じ。
- 今まで触れたことが無い感触のハーモニー。
- ハーモニーが独特で引き込まれる。ケンドリック・スコットが複雑で激しいビートを叩いても、ローガン・リチャードソンがブリブリ吹いても、カルテット全体の演奏としては丁寧に絵画を描くような演奏が続いていく。こういうの経験したことないのでとても不思議。
- ケンドリック・スコットのドラムがとにかくすごかった。圧倒的。
- ジョー・サンダースは半分くらいシンセベースをプレイしてて、「ズー-ーーーン、、、ズー-ーーーン」みたいな音を出してた。
- ローガン・リチャードソンは、ポール・デスモンドみたいな繊細でふわっとした音を出しながらときどきグッと激しくドライブする場面が何度もありよかった。2015年に出たローガン・リチャードソンのリーダー作「Shift」はすごく好きで何度も聞いてるので、ライブでプレイが聞けてよかった。
何の曲を演奏したか覚えてない(セットリストをメモすることに意味が無いように感じた)。アンコール前に演ったのが、アルバム「Tributary Tales」に入ってる「SoulStomp」ってことくらいしか覚えてない。
絵画を描くような演奏、というのがライブ全体をとおして感じたこと。なので「この曲やった」「あの曲やった」はあまり意味が無いような気がする。
とはいっても「ふわっと演ってふわっと終わった」ということではなくガツンと記憶に残る演奏が見れた。うーむ、なんかとても表現しにくい。
バタバタで行き当たりばったりで行ったが行って本当によかったです。
今月聞いた新譜(2017年5月)
例によってリリースされて半年未満のものは新譜という括りで。
- アーティスト: ビル・エヴァンス・トリオ,ビル・エヴァンス,ベティ・コムデン,アドルフ・グリーン,レナード・バーンスタイン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2017/03/17
- メディア: CD
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ビル・エヴァンスの発掘盤です。1976年11月15日の録音。
ビル・エヴァンス(p) エディ・ゴメス(b) エリオット・ジグムンド(ds)
去年(2016年)に出た同じく発掘盤の「Some Other Time」よりこっちのほうが好みです。
演奏も録音も良いです。
ビル・エヴァンスのピアノは「円熟」といった印象。トゲトゲしてないまろやかな音。ただし、時折サクッと刺すような見事な切れ味のスリリングさがあります。
エディ・ゴメスのベースは落ち着きがなくてあまり好みでは無いのですが、このアルバムでは気にならない(いつもどおり落ち着きないベースですが)。
晩年のヨレヨレさがあるかなあと思ってたのですがすごく良い演奏。
最近いろんなミュージシャンのダメな時期の演奏を聞くとグッときます。チャーリー・パーカーのラバーマンセッションとか、バド・パウエルのひどい録音とか、ボブ・ディランの明らかに自信のない時期とか。ダメな時期の演奏昔は大嫌いだったんですが、今はすごくグッときます。歳のせいですかね。
このアルバムはそんなことはないのですが、全盛期よりは明らかに鮮やかさに欠けるプレイをしてて。それを円熟とよぶのか、枯れたとよぶのか、精彩に欠けたとよぶのか、っていうのはかなり微妙な違いかもしれないなあと思いました。
- アーティスト: ダイアナ・クラール
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2017/05/03
- メディア: CD
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ダイアナ・クラールです。
スタンダード集なのですが、選曲が1930年から1950年と古い曲が多いです。
演奏はシンプル。昔の演奏スタイルを踏襲してるんでしょうかね。無駄な音がなくて歌が引き立ちます。
何を歌ってもダイアナ・クラールが唄う歌はダイアナ・クラールのモノなってしまうあたり、やっぱりさすがだなあという印象。
「スタンダードを聞いたー」って感じがあんまりしない。すごいことなんだけどさらりとやってしまうのであんまりスゴさがないのもすごい。
- アーティスト: SEIKO MATSUDA
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2017/03/29
- メディア: CD
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聖子さんです。
あの松田聖子さんがスタンダードジャズを歌う企画盤です。
スタンダードといってもバーブラ・ストライサンドの「追憶」とかカーペンパーズの「Close to You」とかノラ・ジョーンズの「Don't Know Why」が入ってたりで、まあジャズにかかわらずスタンダードということでしょうか。
歌の細かなニュアンスとかジャズ的な言語での歌いまわしとか、そういうことはこのアルバムでは無しで良いのではと。
美空ひばりさんがジャズを歌うアルバムが好きでよく聞いてたのですが同じように聞いてます。
今月はこんな感じ。
旧譜を聞くことが多かったかなと思います。
ジム・ホールばかり聞いてました。
一昔前は廃盤になってたものが再発になっててうれしい限りです。