「ケルン・コンサート」のこと
キース・ジャレットの 「ケルン・コンサート」をはじめて聞いたのは大学生の頃です。
当時は何の知識もなく聞いてました。なので「完全即興演奏によるピアノ・ソロ」ということはだいぶ後に知りました。
でも、そんなことを知らなくても十分に楽しめた。演奏から圧倒する何かが伝わってきました。
即興だろうが楽譜通りだろうが良い演奏であればどっちでも良い、と思ってるんだけどこの演奏は圧倒的にすごい。
ゼロからモノが作り出されてるダイナミズム。その瞬間を聞くことが出来る。すばらしい。
最近あらためて「ケルン・コンサート」をよく聞く。ここ1カ月は繰り返し繰り返し聞いている。
なぜか救われたような、大きなものに包まれたような、そんな気持ちになれる。心がささくれたときにすごく効く。
なんというか、宗教音楽とか賛美歌とかを聞いたときのような感じかな?いや、ちょっと違うな。何と表現すればいいのだろう。
恍惚感。癒やしと救い。雲の切れ間から光がピアノに差し込むような、宗教画のような光景。
「ケルン・コンサート」とおなじく完全即興演奏によるピアノ・ソロアルバムの「ソロ・コンサート」(1973年)のライナーノーツにキース・ジャレットのこんな言葉があった。
このアルバムの演奏は、私という媒体を通じて、創造の神から届けられたものである。
僕はひねくれてるので「創造の神」ってことばをそのまま鵜呑みにする気は無いんですがすごいですね。『創造の神から届けられたもの』って。
「ケルン・コンサート」をはじめて聞いたときから『ひらいてる』っていう印象を強く持ってたのですが、『「創造の神」といわれるもの』と媒体であるキース・ジャレットの双方が通じ合ってることがそういう印象をもたせたのかもしれない。
そんな感想を持ちました。
- アーティスト: キース・ジャレット
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2016/10/26
- メディア: CD
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練習方法が分からないときのこと
何を練習するのが正解なのかがわからないときがあります。
ギターの練習がまさにそれです。
なのでいろんなことに手を付ける。こっちの教則本をやったりあっちの教則本をやったり。
結果何も身につかない。
こんな遠回りをずーーーーーっとしてる気がする。
道に迷った状態でかなり不安です。精神的にもよろしくない。
なんとかならんものか。
よくよく考えてみたら格闘技もはじめはそんな感じだった。何を練習したら良いか分からなくて闇雲にシャドーしたりサンドバック叩いたり。
いろんなことをやったけど結局効果が出なかった。
うまくならなくて、遠回りをずーーーーーっとしてる気がしてて不安だった。練習でボコボコにされて悔しくて涙流した日もあった。
今はさすがにそんなことなくて、効果を考えて練習ができるようになった。
「前蹴りが得意な対戦相手を想定したシャドー」とか
「遠い距離から一気に距離をつめることを想定したサンドバック」とか。
実戦(実践)のための練習ができるようになった。
つまり練習方法が分かってきた。
何のためにこの練習をやってるのか、がハッキリしてると練習効果が見えてくる。
「いま60%くらい分かってきたな」とか「あと3回やらないと実戦で使えないな」とか、自分の理解度が見えてくる。
理解度が見えてくると短時間で効果的に練習することが出来るので、ダラダラ練習を防ぐことができるようになる。
練習方法が分からないってのは、つまり目的が分かってないからなんだろうなあと思う。
では分かるためにどうすればいいか。
これについては答えは出せてない。
習得したいこと、習得する方法、習得する期間、をきちんと考えて、「これだ!」と思う方法をあきらめずにやることが1番良いのかなあという気がする。
(こういう精神論的な結論は好きではないのですが...)
で、ギターの練習としていま何をやってるかというと、コードトーンをずっとやってます。
いろいろ考えた結果コードトーンをやつけないと前に進めない気がするから。
毎日ちょっとずついろんなフォームでいろんなスタンダード曲を弾いてます。
少しずつ少しずつ何かが自分の中に貯まってる気がしてます。
正しい方法を根気よく続けること、これが1番の近道な気がしてます。
今月聞いた新譜(2017年11月)
例によってリリースされて半年未満のものは新譜という括りで。
- アーティスト: 桑原あい×石若駿,アダム・レヴィーン,ジェシー・カーマイケル,ライアン・デューシック,ジェイムス・バレンタイン,マイケル・アレン・マデン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2017/11/08
- メディア: CD
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今月はこればかり聞いてました。いいですね。生命力に溢れてます。聞いててチカラがみなぎる感あります。
このアルバムは長く聞きそう。
あと、石若駿のドラムが素晴らしく良いです。ピアノのように歌うドラムですね。ダイナミックであり繊細であり、表現力がすごいです。
桑原あい×石若駿 - 「ディア・ファミリー」(TV Version)フル・ヴァージョン
- アーティスト: 纐纈歩美
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2017/10/18
- メディア: CD
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華やかですね。この人のアルトは本当に華がある。華があるけど品格もあって聞き応えあります。前作以上に好きです。
バックのメンバーの演奏もすき。
- アーティスト: BECK
- 出版社/メーカー: CAPITOL RECORDS
- 発売日: 2017/10/13
- メディア: CD
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「あれ?これ新譜?」と思うくらいのモッサリした感じ。BECKのいつものあの感じです(表現しにくいやつ)。あーいつもどおりだねって感じ。良くも悪くも。
トータル45分ってのもLP盤みたいで良いすね。
今月はこんな感じ。
もう12月ですね。師走ですよ。
大西順子の新譜とかビョークの新譜は今聞き込んでるのでまた次回にでも書きたいな。
ECMの配信
ECMの配信が話題になってますね。
公式サイトの情報を見たのですが、違法ダウンロードや違法ストリーミングへの対策らしい。
https://www.ecmrecords.com/public/docs/ECM_and_Streaming.pdf
ECMは配信はやらないと思ってたのですが、これも時代ですかね。
とはいえ月額千円程度を払うだけECMのコレクションが聞き放題なのはとてもうれしい。
この1週間はザクザク掘りまくって聞きまくってました。
クラシック音楽や現代音楽も良いですね。いままでちゃんと聞いてこなかったのですがきちんと聞くとすごく良い。CDを揃えたくなります。
配信でどれくらいの枚数を出してるのかな?カタログをどれくらい網羅してるのかな?と思ってザザーッとApple MusicのECMのアルバムを見て見ました。そのときにたまたま気づいたのですが再生できない曲が入ってるアルバムがありますね。アルバムによっては全曲配信してないものもあるみたい。10曲中8曲しか聞けないとか。なので気に入ったものはやっぱりCDで買うことになるかも。
ECMが配信開始ってのは「らしくない感」がスゴイって印象です。
音楽が「所有するもの」から「アクセスするもの」に変化してることについては良い点悪い点があり複雑な気持ちになります。でもインターネットで配信することによって「接点が増える」「その音楽に出会える人が増える」ということは本当に良いことと思う。
(僕は高校時代にスイングジャーナルを読んでたので、ジャズのことを「格式が高くて、とっつきにくい音楽」と思ってた。アレを聞かないとコレを聞いちゃダメとか、コレの良さが分かってからソレを聞くべし、とか。偏見である。こういう偏見が無かったらもっと自由にいろんなものを聞けたのにと思ったりする)。
僕もこれを機会にECMのクラシック音楽も聞いてみたいと思います。
沈黙の次に美しい音。
いいですね。
ECMのこの言葉がすごく好き。
深夜寄席に行きました
深夜寄席とは、毎週土曜日の21時半から23時に開かれる会です。
夜の部(17時〜21時)の終演後に開かれます。
深夜寄席に出られるのは二ツ目の落語家さんです。
出演の機会が少ない二ツ目の落語家さんに芸を披露する機会を作ろう、という目的で深夜寄席がはじまったそうです。
この日も4人の噺家さんが出演です。
20時40分くらいに末廣亭に到着。10人くらいが並んでました。開場前には50人くらいに列が増えてました。
21時くらいに木戸銭千円を払い(去年まで500円だったのが値上がりしたんですね)、21時15分くらいに開場。
座敷席と椅子席で迷いましたが椅子席に着席。
末廣亭に来ると開演時間までぼーっと天井や欄間を眺めて過ごすことにしてます。江戸文化に浸れます。ほんとに良いです。外観の味わい深さは有名ですが内観もすごく良い。
そうこうしてるうちに幕がひらいで開演。
久しぶりの末廣亭でしたが今回もおもしろい落語が聞けました。4人の落語家さんそれぞれ良かったです。特に三遊亭伊織さん、この人の落語はまた聞いてみたいと思いました。
終演後にはさっきまで高座に出てた落語家さんがお見送りしてくれます。開場前の行列を整理するのもチケットもぎりもその日高座に上がる落語家さんです。こういうところも深夜寄席の良さですね。
帰りは新宿三丁目で一杯ひっかけて落語の余韻にでも浸ろうと思ったのですが、すでに23時半だったのでまっすぐ帰宅しました。新宿駅までの道すがら、11月にしてはだいぶ寒い夜道を歩きながら、寒くなってきたからそろそろ「芝浜」か「文七元結」が聴きたいなあと思いました。